最近は、新型コロナウイルスの影響で「手洗い・うがい」「手洗い」「手洗い」「消毒」「手洗い」「手洗い」
と、手洗いの重要性をより一層感じております。感染症予防には手洗いは非常に大事です。
[voice icon=”http://shokuikuko.net/wp-content/uploads/2017/03/IMG_0059-e1508168122586.jpg” name=”食育子” type=”l”]手洗いと消毒のし過ぎで、手がカサカサ!![/voice]...しかし、いくら頑張って手洗いしていても”正しい方法”でちゃんと洗わないと、効果が薄れてしまいます。
皆さんは手洗い時「洗い残しの多い部分」はどこら辺だと思いますか?
私は一応、調理師専門学校で食品衛生学を教えておりまして、後期に「手洗い実験」というものを学生さんに行います。
その授業の中では、手に特殊な蛍光塗料を塗布し、その後、普段通りの手洗いをしてもらった後で、ブラックライトに当てて”洗い残し”を見るのですが
それぞれ手洗いのクセがあるので、意外なところに洗い残しがあるのです。
(光っている部分が、洗い残しです)
そこで、今回は手洗いの際に”洗い残ししやすい部分”をまとめていきたいと思います。
私は感染症とか微生物の専門家ではないですが、きっと食品衛生の観点とリンクする部分は多少なりともあると思っておりますので、日々の手洗いの参考にしていただけますと幸いです。
正しい手洗い方法とは?
まず、正しい手洗いの方法に関してですが、厚生労働省や政府のサイトなどでもチェックすることができます。
その中でも私は個人的に公益社団法人日本食品衛生協会の手洗い方法が、図解で非常に分かりやすいので参考にさせて頂きたいと思います。
(PDFの手洗いマニュアルもダウンロードできますので、飲食店や小売店などではコチラを出力し、手洗い場でチェックしながら洗うと良いですね)
コチラの正しい手洗い手順を参考にさせて頂きますと...正しい手洗いの工程は...なんと11も!
- 流水で手を洗う
- 洗浄剤を手に取る
- 手のひら・指の腹面を洗う
- 手の甲・指の背を洗う
- 指の間・付け根を洗う
- 親指と親指の付け根を洗う
- 指先を洗う
- 手首を洗う
- 洗浄剤を流水でよく洗い流す
- 手を拭き乾燥させる
- アルコールによる消毒
(参照:公益社団法人日本食品衛生協会 より)
ふぅ...ちょっと、書きながら疲れてしまいましたが、それくらい毎回の手洗いで気を遣う必要があるということなのです。
食中毒予防の手洗いも参考になる
食品衛生の観点から行う手洗いは、食中毒予防や二次汚染予防が目的ですが、ヒト→ヒト ヒト→モノ→ヒト 感染が起こる感染症の場合は、食中毒予防のための手洗いは非常に参考になると思います。
特に、食中毒の原因となる菌やウイルスの中でも、集団感染しやすくヒト→ヒト感染をする”ノロウイルス対策”を意識することで少しは予防ができるのでは?と思っています(あくまで予想です)
洗い残しの多い部分
では、それぞれの”手洗いのクセ”によって、洗い残しが起こりやすい部分をシュールなイラストで表現したいと思います。
イラストの左側が「手のひら」で右側が「手の甲」と思って、見てみてください。洗い残し部分は”青色”で表しています。
(※あくまで、私が授業中で多くの学生さんたちを見た中で感じた洗い残し部位です。印象の1つです。データなどは取っておりません。取っておけばよかった!!笑)
よく洗えている部分
ちなみに、ほとんどの学生さんは「手のひら」に関してはしっかりと洗えていることが多かったです。手と手をこすり合わせて洗うので手の内側は意識が向くのでしょう。また、手の甲側よりも、手の内側の方がしっかりと洗えている人が多い印象です。
では、手洗い時に洗い残しの多かった部分4つが以下の通りです。
①指先や爪のまわり
手のひらはゴシゴシ洗うのですが、指先や爪部分を洗い忘れている人が多いように感じました。厨房の手洗い場では”爪ブラシ”というのが常設されていることがあるのですが
ご家庭の場合は、爪を手のひらに当ててしっかりと洗いましょう。
②親指の付け根
親指の付け根は、かなり洗い残す人が多い印象でした。指や爪までしっかりと洗えていても、親指ってつい忘れてしまうんですね。
しかし、親指はあらゆるモノを掴む際に使用します。なので、色んな雑菌も付いてしまうんですね。
洗い残しの無いように、↑の写真のように親指の付け根を反対側の指で持ってグルグルとしっかりと洗いましょう。
③手首
「手は完璧に洗えました!」と思っていても、ブラックライトを通してチェックしてみると、手首を洗い残しているというパターンも非常に多く見受けられました。
特に、長袖を着用していると、袖に水が付着するのが嫌でつい手首を忘れてしまうことがあるようです。ですので、手洗いをする際にはしっかりと袖を捲り上げてから行いましょう。
特に手首にはシワがあるので、その間に汚れが付着している可能性があります。
大手飲食店のチェーンでは”肘”までしっかりと洗うのがマニュアルのところもあります。余裕があれば、そこまでしっかりと洗えると完璧ですね。
④指の付け根や水かき
指の水かき部分も、洗い残しの多い部分の1つです。手を洗おうと意識すると、つい「手のひら」や「指」に意識が向いてしまい
指の付け根部分や、水かき部分まで気が回らなくなってしまうんですね。ですが、ここも両方の指を入れてよく洗いましょう。
こうやって見ると、色んな洗い残しパターンがありますね。完璧にいつも手洗いしなくちゃ!と思うと気が滅入りそうになりますが、帰宅時などは、自分の手洗いクセを意識しながら忘れがちな部分をしっかりと洗うようにしましょう。
番外編~手荒れしていると汚れが落ちにくい~
正直、毎日調理を行う方やアルコール消毒剤で手が乾燥すると、手が荒れるのは仕方がないことなのですが(私も病院勤務をしていた頃はかなり手が荒れていました)
実際に学生さんの手洗い実験をしていると、手が荒れている人ほど、汚れが落ちにくいのです(ま、塗料が落ちにくいのですが)
ですので、毎日手洗いで大変かと思いますが、ハンドクリームなどを使って手の保湿もしっかりと行いましょう。
(個人的に、ニオイの気にならないロコベースがお気に入りです)
消毒時の注意点
もう一点、現在はかなり品薄になっているアルコール消毒剤ですが、消毒用アルコールを使用する際にも注意点があります。
消毒剤は、基本的には石鹸で手を綺麗に洗った後に使用しますが「手が濡れた状態」で使用すると効果が薄れてしまいます。
消毒用アルコールを手洗いの最後に使用するときには、一度水気をふき取ってから、塗布するようにしましょう。
まとめ
感染症を防ぐためには、手洗いがとても大事なのは言うまでもありませんが、最も大事なことは「正しく洗うこと」です。
自身の”洗い方のクセ”を見直して、洗い残ししそうな部分も重点的にしっかりと洗い、感染症を防いでいきましょう。
[voice icon=”http://shokuikuko.net/wp-content/uploads/2017/03/IMG_0059-e1508168122586.jpg” name=”食育子” type=”l”]ちなみに私は”親指”を洗い残ししがちです[/voice]また、この正しい手洗いは”食中毒予防”にもそのまま活用できます(というかその為の方法)ので、習慣の1つとして是非取り入れてみましょう。
【最後に】
働いてみんなの健康と命を守ってくださっている医療従事者の方々、また食品やドラッグストアの販売の方々、流通業の方、インフラ業の方々などには頭が上がりません。心より感謝いたします。そして、一刻も早く事態が良くなることを祈っております。
食育子@ズボラ管理栄養士
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