マクロビ、ベジタリアン食の人の栄養分析してみた
色んな方のお食事指導、ダイエット指導をしていて最近特に多いのが
「玄米菜食=マクロビ食にしています」という方や
肉など動物性たんぱく質を避ける「ベジタリアン食」(ベジ食)
にしている女性のお食事パターンです。
確かに、外食が続くと脂質や糖質が多い食事になりがちなので
野菜をはじめ「植物性の食品も食べよう!」という意識はとても素敵です。
(つまりは、バランスをとろうと意識されているということですからね!)
お肉を途中で受け付けなくなってしまったり、アレルギーだったり
シンプルに玄米が好きだからという理由で選ばれている方もいらっしゃいます。
中には...体調が悪いから、疲れやすいから、生理痛が激しいから藁にもすがる思いで
体質改善の目的として”マクロビ食”を選ばれている方もいらっしゃいます。
しかし、体質によってはより悪化してしまったり、より疲れやすくなる方も結構多く見てきました。
そこで、マクロビ食にはどんなメリットがあってデメリットがあるのかを管理栄養士として
”栄養面”からマクロビ食を分析してみました♪
マクロビっぽい食事の一日献立例
【今回分析した献立例】
朝ごはん | 昼ごはん | 晩ごはん |
玄米、味噌汁、漬物 | 玄米、高野豆腐、梅干し
サラダ、ほうれん草 根菜の天ぷら |
玄米、豆腐ステーキ
里芋の煮物 人参 |
先に補足しておくと、私はマクロビ系の資格を取得したわけではないので
詳細には「これとこれを組み合わせるなんてありえない」みたいなのもあるかも知れませんが(汗)
だいたい、お食事指導をしていてこういうパターンの方が多かったというような経験値から
献立を作成してみました。
★ベースは「玄米食」で「和食スタイル」★
そして動物性食品はとらずに、大豆製品を摂取というイメージです。
【朝ごはん】
・玄米ごはん、味噌汁(ナスと揚げ)、漬物
【昼ごはん】
・玄米、高野豆腐に煮つけ、梅干し、トマトサラダ、ほうれん草、レンコンの天ぷら
【晩ごはん】
・玄米、豆腐のステーキ、里芋の煮物、人参のきんぴら
THE粗食。
って感じですよね。確かに海外旅行から帰ってきた時や外食続きだったときはこういうメニューにしたくなります。
食物繊維も多く摂取できるので
胃腸機能の正常な方だと、快便になりそうなメニューです。
では、栄養バランスはどのような感じなのでしょうか?!
早速みていきましょう。
↓↓↓
マクロビ食を栄養分析してみました!
【良い点】
まず、このメニューですと不足しがちな「食物繊維」「ビタミンB1」「マグネシウム」
などがしっかり摂取できていますね。
さすが栄養価の高い玄米です。
全体的に、充足している栄養素も多いかと思います。
【悪い点】
逆に、お肉やお魚、卵などの”動物性食品”を一切とらないことによって
ビタミンB2やB12そしてビタミンDなどのビタミン類がかなり不足しています。
ビタミンB2は脂質などの代謝に関与していますので
欠乏することで”口内炎”とかの原因になったりします。
また、ビタミンDはカルシウムの吸収を促進する為、欠乏すると
「カルシウムの吸収がしにくく」→「骨がもろくなりやすい」
ということも。
また、本来この栄養分析チャートは”きれいな円”になることでバランスをとっていると判断するのですが
(オレンジのラインです)
ミドリの線がジグザグになっているのが分かるでしょうか?!↓↓
これは、「極端に足りているものと足りていないものがある」
ということを意味しているので、翌日に不足している栄養素をとったり
ビタミンB群のサプリメントをとるなど
調整した方が良いでしょう。
総合的に見て、何かの食材をカットするということはこういう
「極端な栄養バランスの差が出やすくなる」とも言えます。
マクロビ食の脂肪酸バランスもみてみると?!
では次に、脂肪酸=脂質の割合も見てみることにしましょう。
お魚がメニューに入っていないので「N-3系脂肪酸」通称”オメガ3”が足りていません。
えごま油や亜麻仁油などを、どこかで使用するという方法もありますが
「動物性完全にNG」でなければ、しらすやイリコなど小魚だけでも取り入れるようにすると良いでしょう。
(冷ややっこ、和え物にトッピングなどでOK)
マクロビ食は全体的にどんな栄養素が不足しやすい?
今回は、栄養分析した献立データが1週間分とかでなく1日分だけなので
恐らく多少なりとも誤差はあると考えられます。
しかし、動物性食品には豊富なタンパク質だけでなく
「ビタミンB群」そして「ミネラル類」などが含まれていて
我々の肉体の元となり、代謝も助けてくれます。
マクロビ食では、これらが不足しやすい食事法ですので
場合によっては例えば...
「冷え」「貧血」「肌の乾燥」「疲労感」
など酷くなる可能性もあります。
また、玄米食は栄養素を多く含みつつもフィチン酸という吸収を阻害する成分も含まれています。
つまり、栄養価計算上の↑のデータよりも、さらに下がることが予測されます。
今回の栄養価計算では「鉄」はある程度充足していますが植物性の食品からの「非ヘム鉄」なので
吸収率は動物性の「ヘム鉄」よりさらに下がるでしょう。
胃もたれしがちな人は注意
また、玄米って「腹持ちが良い」と言われるのですが
つまり消化するのに「時間がかかる」→「負担がかかる」とも言えます。
以前、「マクロビ食を取り入れて体調が悪化した方」に話を聞いたところ
”胃もたれしやすかったのが、もっと胃もたれするようになった”
とのこと。このような方は、あまりおススメできません。
もしくは、100%玄米ではなく、分搗き米からスタートされることをおススメします。
何なら、そういう「胃もたれしやすい人」「消化吸収機能が低下している人」
にとっては、白米の方が向いているくらいです。
(だから、白米は悪とかいう考え方も極論で、本当はケースバイケース)
健康に良いと言われる食事法でも”自分の体質”に合うか見極めることが大事
さて、今回はマクロビオティック(マクロビ食)を栄養という面から分析してみましたが
「私にはこの方法が合ってる」
という方もいらっしゃるでしょうし
「実は...何となくだった...そして何も変化なかった」
「いや、実はちょっと合わなかった」
という方もいらっしゃることでしょう。
(中には、便秘がひどくなったという方もいました)
大事なことは、この方法が”良い”とか”悪い”とか議論することではなく
「自分の体質に合っているか自身で吟味すること」
だと私は思います。
そして、その吟味する為の「情報の1つ」として今回の記事を頭の片隅に入れて頂けたらと幸いです。
また、「友達がすごく良いって言ってたから、実践してみたけど私は合っていないようなんだけど...おかしいのかな?」
と悩んでいる方がいたとしたら
いや!合う人合わない人がいて正解!
それぞれ、体質やその時の体調によっても様々なのです。
色んな視点を持った上で取り入れれば良いと思います。
【余談】
ちなみに、私はお肉をガッツリ食べたいのであまりマクロビ食にはしませんが
腸内環境乱れてきた時に、マクロビっぽいメニューを取り入れたりして調整しています♪
さて...
焼き肉たべ行くぞ!
食育子@ズボラ管理栄養士
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