栄養指導のコツ2「響きポイントを探す」

栄養指導のコツ第二弾「”響き”ポイントを探す」

さて、今回も栄養指導のコツをご紹介します。

病院での栄養指導だけでなく

ダイエット指導、体質改善の指導などに使えるかと思いますので

ご活用ください。

前回の栄養指導のコツでは

全体的な総論をお伝えしたのですが、今回からはステップ式で

「どういう順番で、ポイントを押さえていくか」についてです。

目次

最初の10分が重要

栄養指導する為には、「お客様(患者様)」の情報が何よりも大事です。

それも、予め手に入っている「年齢」「身長・体重」「血液データ」「既往歴」「服薬」

だけでなく”聞き取りながら”しか得られない情報もたくさんあります。

例えば...

「職場の状況」「毎日の過ごしかた」「何にストレスを感じているか」

「何を大切にしているか」「ストレス発散方法はあるか?」

これらを、指導を始めてから最初の10分間で集中して情報収集する必要があります。

その中で、私が特に重要視しているのが

”どんなニュアンスの言葉で響くか”です。

「どんな言葉で響く??」

ここで、栄養学的な知識ではなく

対面的なお話をしたいと思います。

学問的に、もちろんお伝えするのも大事なのですが

お客様には「栄養の知識を伝える」ことが目的なわけではないのです。

「とにかく実践して、今よりも健康状態を良くしてもらう」

ココが大事なのです。

ただ、”伝えることだけ伝えて、はい保険点数OK”

という数をこなす指導ではいけないのです。

「最もその方が”大切にしている何か”を見つけだして、そこに則して伝える」

という方法が私がおススメする方法です。

例:家族が大切なAさん

例えば、私が病院時代に担当したAさんという方は、仕事が忙しく

”なにが栄養指導じゃ!ふんっ”

という最初、やらされている感満載で栄養指導を受けました。

しかし、娘さんがいらっしゃるという話を伺うと

急に目が優しくなったのです。そう、このAさんにとっては

「娘さんのため」というのが1つの響くポイントでした。

この為、Aさんには

「娘さんの為にも、いつまでも元気なお父さんでいたいですよね」

という導入方法を行いました。

最後にはすっかりやる気に変わっていました。

例:人を喜ばせるのが好きなBさん

次は、ほわ~んとした雰囲気のマダムBさん。

この方は、年代的には珍しく

健康の話をしてもあまり響かなかったのです。

(自分で料理を作ったり普段から健康に興味があったので、さらに知識を広めるために受けた模様)

その為、ほとんどのことを「それ知ってる」という雰囲気で

どの言葉も響きにくかったのですが

”こういう料理を作ると皆が喜んでくれますね!”

という提案をすると、目が一瞬輝いたのでした。

このBさんは、自分が健康になって知識を身につけるだけでなく

それで”周りに喜んでもらう”というのが響きポイントだったのです。

例:食べることが好きで頑張りを認めてもらいたいCさん

独身のOLさんで、帰宅も遅くお酒が好きなCさんは

つい、日ごろのストレスを美味しいものやお酒で解消する癖がありました。

そして、言い訳や愚痴が多くなってしまうタイプでした。

そこで、この方の響きポイントを見つけたところ

「大変ですね、すごく頑張ってあるんですね~」

という共感でした。Cさんのようなタイプはいきなり

”こうしましょう”と指導すると、心の扉を閉めてしまいます。

そこで最初は「共感」「認める」「褒める」

まずは、Cさんの言い分を聞き、頑張りを認めること。

「〇〇屋の××パスタ、美味しいですよね!」

共感をすること。

そして「今、とっても大変そうですが、お食事頑張れそうですか??」

と提案をしてみてください。

そうすると、Cさんの気持ちも動きやすくなります。

まとめ【相手の表情しぐさをよく見て】

特に目の表情をしっかりと把握すると良いでしょう。

栄養指導を成功させる為には、まずはお互いの信頼関係がイチバン大切です。

その為にも、お客様(患者さん)がどんな人なのかをよーく見て

その方に最も適した方法を割り出しましょう

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食育子(しょくいくこ) 福岡出身の管理栄養士。一児の母。 もともと居酒屋で飲み食いするのが大好きだったが、妊娠・出産を機にほとんど飲まなくなった。 今は、外食をあまりしなくなったので、二郎系とかを家でどうにかして作れないか試行錯誤中。
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